読書貯金はじめました。

読書貯金とは私の造語です。本を要約・評価しつつ記事にして、読み返して智慧になるような記事を書いていきたいと思います。

「司馬法/司馬穰苴(訳:守屋洋・守屋淳)」を読んでみました。

はじめまして。


KISOと申します。


本日は、「司馬法」という本についてご紹介いたします。

 

語彙辞典の紹介によると、

 

当初は百五十五篇あったとされるが、現在残っているのは五篇のみである。司馬法が成立した斉の国は、周の文王・武王の参謀であった太公望を祖とする国で兵法が盛んであり、作者とされる司馬穰苴以前よりその原型は存在したとされる。また、史記によると司馬穰苴の子孫である斉の威王が、斉に古くから伝わる兵法を編纂してその中に司馬穰苴の兵法を組み込んで「司馬穰苴の兵法」と名付けたという。司馬遷は「司馬兵法を読んだが、その論ずるところ深遠宏大であって、古の三代ですら其の義を尽すまでには至らないであろう」と記しており、単なる戦術の書ではなく「孫子」と同様に処世哲学の書であったと推察される。

 

と、紹介されています。

 

それでは、早速本書に対する所感を述べていきたいと思います。

 

まず、司馬穰苴という人物をご存じでしょうか。


彼は春秋戦国時代の斉の将軍と言われており、斉の君主である景公に仕えていたのではないかと言われています。

 

成り立ちとしては、当時の斉が晋と燕に攻められ領土が奪われており、これを何とかしたいということで白羽の矢が立ったのが司馬穰苴です。

 

その時、司馬穰苴を推薦した者の言によると、彼は文徳があり兵士を引き付け、その武徳は敵を威圧する、と言われています。

 

すでに人物として素晴らしい評価を受けていたようです。

 

ちなみに、司馬とは元々軍政を司る官職の名称です。

 

そこで、この「司馬法」とは、彼が行動や言動を元に後の人物たちが編纂したものだと言われています。

 

しかし、この「司馬法」に記されている論理に関しては、春秋戦国時代の時にはすでに時代遅れだと指摘されています。

 

それでは、学ぶべき点が無いのかと問われればそのようなことはありません。

 

注目すべきは、戦争観だと言われています。

 

何のために戦うのか、他でも無く、戦いを持って戦いを無くすことが戦いだと訴えています。

 

これらの前提を踏まえた上で、いくつか印象的な文章を抜粋しますので、今後の参考にしてみてください。

 

◆人を殺して万人の命が守れるのなら、人を殺しても良い。他国を攻めて、その国の民を慈しむのであれば、攻めても良い。戦うことによって戦いを止めさせることが出来るならば、戦いを起こしても良い。権道とはそれを言うのである。

 

◆上に立つ者に仁があれば、下の者から親しまれる。同じように義があれば喜ばれ、智があれば頼りにされ、勇があれば懐かれ、信があれば心服される。

 

◆敵国には以下のことを禁ずる。
 一.神の社を荒らす。
 二.狩りをする。
 三.橋や道路を破壊する。
 四.民家を焼き払う。
 五.樹木を伐採する。
 六.家畜や穀物を掠奪する。

 

◆王者や覇者が諸侯を統治する時には次の六つのことに留意した。
 一.各国の領土・国境を確定する。
 二.法令を発して遵守させる。
 三.礼と信を持って心服させる。
 四.恵まれない国には財政援助を惜しまない。
 五.人材を派遣して連携を密にする。
 六.軍事力で感服させる。

 

 このようにして利害関係を作り上げ、小国を庇護し大国を尊重して諸侯を融和したのである。
 
◆自分の功績を鼻にかけない人物を高く評価し、そのような人物こそ上に立つ器であると見なした。

 

◆戦いに際しては、次のことに留意する。
 一.軍内の身分制度を明確にする。
 二.賞罰の基準を明らかにする。
 三.遊説の士を通して情報を収集する。
 四.王の命令を繰り返し徹底させる。
 五.部下の意見に耳を傾ける。
 六.有能な人材を登用する。
 七.様々な意見を検討して実状を把握する。
 八.疑問や疑惑を解消する。
 九.力を蓄えて技量を発揮させる。
 十.民心の動向に従う。

 

◆常に天道に従い、財政を確保し、兵士を喜ばせ、地の利を得て、武器を有効に活用することを心がける。これを「五慮」と言う。

 天道に従うとは、天の時を見極めることである。
 財政を確保するとは、適地から物資を調達することである。
 兵士を喜ばせるとは、進んで命令に従わせることである。
 地の利を得るとは、険阻な地形に布陣することである。

 

◆戦いに際しては、次のように敵の静動を探る。
 一.小部隊と大部隊を交互に繰り出して、敵がどのように対応するのか観察する。
 二.進撃と退却を繰り返して、敵の守りが固いかどうかを観察する。
 三.敵を窮地に追い込んで、その動揺ぶりを観察する。
 四.じっと鳴りを潜めて、敵の緊張が持続するかどうかを観察する。
 五.敵を引きずり回して、疑心暗鬼にかられるかどうかを観察する。
 六.奇襲をかけてみて、敵の規律が保たれているかどうかを観察する。

 

以上が私が印象深いと感じた内容になります。
 
ちなみに、こちらが参考とした書籍となります。

 

他に「尉繚子」「李衛公問対」という兵法書の内容が載っていますので、ご興味のある方は「司馬法」と合わせて読んでみてください。

 

それでは、本日はここまでとなります。

 

また、次回の記事でお会いしましょう。

 

[新装版]全訳「武経七書」2 司馬法 尉繚子 李衛公問対

[新装版]全訳「武経七書」2 司馬法 尉繚子 李衛公問対