読書貯金はじめました。

読書貯金とは私の造語です。本を要約・評価しつつ記事にして、読み返して智慧になるような記事を書いていきたいと思います。

「三略/張良(訳:守屋洋・守屋淳)」を読んでみました。

はじめまして。


KISOと申します。


本日は、「三略」という本についてご紹介いたします。

 

Amazonの紹介によると、

 

孫子』『呉子』『六韜』に並ぶ中国古兵学の最高峰「武経七書」のうちの一書に選ばれ、広く巷間に流布されてきた『三略』。その内容は簡潔かつ柔軟で、北条早雲が最初の一句を聞いただけで兵法の極意を悟ったと伝えられる。本書は技術論のみにとどまらず、その変化の素因としての政治・組織の問題にまで論及。苛酷な乱世を生き抜くための機略がここにある。

 

と、紹介されています。

 

それでは、早速本書に対する所感を述べていきたいと思います。

 

まず、張良という人物をご存じでしょうか。

 

時代としては、秦末期から前漢初期に活躍人物とされています。

 

また、彼は礎漢戦争において、劉邦側の軍師として活躍した人物であり、蕭何・韓信と並ぶ三傑と呼ばれています。

 

項羽と劉邦は様々な作品に取り上げられているので、ご存じの方も多いのでないかと思います。

 

話は逸れますが、彼らを相手にして殆どの戦いで勝利を収めていた項羽とはどれだけ凄かったのか。

 

彼も、范増という軍師が存命であった頃は良かったのですが、彼が亡くなってから戦いは劉邦側へと傾いていったのです。

 

話を戻しますが、それだけ軍師の役目は大きいものです。脳筋ではいくら頑張っても超えられない壁があります。

 

そして、劉邦を勝者へと導いた張良が著した「三略」とは何なのか。

 

三略」は、張良が書き著し、神仙である黄石公が選録したと言われています。

 

三略」におけるもっとも有名な言葉は「柔よく剛を制す」という言葉なのではないでしょうか。

 

こちらは、前述の「六韜」と比べますと、文量が少なく内容が凝縮されているように感じられます。

 

その凝縮された内容には、政治に関する心得であったり、軍事に関する考え方が記されております。

 

その他、現存しない幻の兵法書「軍讖」からの引用がよく行われています。内容が簡潔である分、初学者でも理解しやすい兵法書なのではないでしょうか。

 

また、日本でも戦国武将である北条早雲が愛読していたと言われています。

 

最後にいくつか「三略」から印象的な文章を抜粋しますので、今後の参考にしてみてください。

 

◆将たる者は、食事も苦労も常に兵士と共にしなければならない。そうあってこそ、一丸となって戦い、素晴らしい勝利を収めることが出来る。
 ~中略~
 また、良将が軍を統率する時には、深い思いやりを持って部下に望む必要がある。一方で、賞を表とし、罰を裏とする。賞罰を明らかにすることで、将たる者の威信を確立することが出来、兵士は心服する。

 

◆将たる者は賢者の知恵、聖人の配慮、人民の願い、朝廷の意向に耳を傾けると共に、歴史を動かしてきた興亡の原理をしっかりと学んで関わらなければならないのである。

 

◆思慮と勇気(熟慮と決断)は、将たる者の条件である。行動と怒り(活気と志気)も必要な条件である。ただし、これら四つのことは特別慎重に捉える必要がある。

 

◆用兵の極意は、あらかじめよく敵情を視察することである。特に、倉庫を探って食糧の備蓄状況を調べ上げ、兵力の強弱を算定し、天の時、地の利を見極めた上で、相手の弱みを突いていくことにある。
 
◆上に立つ者が暴虐であれば、下の者もそれを見習って残酷なことをする。情け容赦なく税金を取り立て、無慈悲な刑罰を適用すれば、人民も平気で殺し合うようになる。こうなれば、もはや亡国としか言いようがない。

 

◆道、徳、仁、義、礼は、元々は一つのものである。道とは、踏み行うもの。徳とは、人が体得するもの。仁とは、人が親しむもの。義とは、人が則るもの。礼とは、人が守るもの。どらか一つが欠けても具合が悪い。

 

◆優れた人物というのは、繁栄と衰亡の原因をよく弁え、成功と失敗の発端をよく心得ている。また、治乱の機微、進退の節度もよく承知している。だから、どんなに困窮しても、見込みのない国には仕えないし、どんなに貧乏しても、いかがわしい国には仕えない。

 

以上が私が印象深いと感じた内容になります。
 
ちなみに、こちらが参考とした書籍となります。

 

他に「六韜」という兵法書の内容が載っていますので、ご興味のある方は「六韜」と合わせて読んでみてください。

 

それでは、本日はここまでとなります。

 

また、次回の記事でお会いしましょう。

 

[新装版]全訳「武経七書」3 六韜 三略

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