読書貯金はじめました。

読書貯金とは私の造語です。本を要約・評価しつつ記事にして、読み返して智慧になるような記事を書いていきたいと思います。

「境界性パーソナリティ障害/岡田尊司」を普通に読んでみました。

はじめまして。
KISOと申します。
本日は、岡田尊司さんの「境界性パーソナリティ障害」という本についてご紹介いたします。

Amazonの著者紹介によると、

 

岡田尊司(おかだ・たかし)
1960年、香川県生まれ。精神科医。医学博士。東京大学哲学科中退。京都大学医学部卒。同大学院高次脳科学講座神経生物学教室、脳病態生理学講座精神医学教室にて研究に従事。現在、京都医療少年院勤務。パーソナリティ障害、発達障害治療の最前線に立ち、臨床医として若者の心の危機に向かい合う。著書に『パーソナリティ障害』『「生きづらさ」を超える哲学』(PHP新書)、『悲しみの子どもたち(集英社新書)など多数。小説家・小笠原慧としても活動し、作品に、横溝賞を受賞した『DZ』(角川文庫)、『風の音が聞こえませんか』(角川書店)、『タロットの迷宮』(文藝春秋)など。

 
と、紹介されています。

医学博士でありながら小説家としても活動しているところを見ると、現代の加藤周一といったところでしょうか。

 

もっとも、加藤周一は血液学が専門なので精神科とはまた畑違いではあるのですが……。

 

まあ、専門は違うにしても医学畑の作家はけっこうな数がいるのではないでしょうか。

 

私個人としては芥川賞作家の南木佳士が好きですし、作家というくくりであればブラック・ジャックなどで有名な手塚治虫でしょうか。

 

いずれにしろ、医学畑の作家は数多く見られるように感じられます。

 

そして、岡田尊司さんもそのような作家の一人ということです。

 

ちなみに彼の書いたこの本はAmazon上ではこのような評価となっております

2018/11/1現在 ★★★★☆(62レビュー) 。

それでは、早速本書に対する所感を述べていきたいと思います。

一言で言えば、この本はメンヘラについて述べられている本です。

 

メンヘラってどんな状態なのか。

 

メンヘラって何が原因でなるのか。

 

それは先天的なことが原因なのか、後天的なことが原因なのか……等などが述べられています。

 

そして、メンヘラを問題視していながらも、必ずしも悪くは言っていないところが本書の特徴となりますでしょうか。

 

ちなみに、メンヘラとは、ニコニコ大百科から意味合いを引用しますと次のように説明されています。

 

★概要
語源は2ちゃんねるの「メンタルヘルス板」より由来する。メンタルヘルス板とは「心の健康」について取り扱う板。

2ちゃんねらーの間で「メンタルヘルス板にいるような人間」をメンヘラーと略されるようになり、それがメンヘラになった。主に心に病気を抱えた人について使われる言葉として扱われている。

差別的な意味を含む場合もあるため扱いには注意しよう。

 

ヤンデレとの比較
ここ最近では、(ネットスラングとして)ヤンデレと比較され混同されることが多くなっているメンヘラ。現在境界が曖昧な両者の違いを比較した場合、相手への依存の仕方と愛情の向き方に差異があるという意見が多い。

 

◆メンヘラ
誰かに愛情を向けてもらいたい、そんな自分が何より愛おしい
誰かに気を向いてもらうためになんでもする「かまってちゃん」行為がベースにある
自分という存在がそっぽを向かれるのを何より恐れるが、自分以外の他人がどうなっても知ったことなし
一言で言えば、「愛してくれないならここで死んでやる!」

 

ヤンデレ
特定の誰かを愛している、他は(時に自分自身さえ)どうでもいい
愛している特定の人のためになんでもする「護って、尽くす」行為がベースにある
愛している人にそっぽを向かれるのを何より恐れるが、それ以外の他人からどう思われようが知ったことなし
一言で言えば、「愛してくれないなら邪魔なあいつ殺す!」

 

確かに、考えてみたらメンヘラもヤンデレも明確な線引きがされているわけではないように思えますね。

 

ですが、問題となる点は、以上のような振る舞いは正常な精神状態ではないということです。

 

そして、それは”境界性パーソナリティ障害”と呼ばれる一種の障害ということなのでしょう。

 

簡単に言えば、精神の状態異常ですね。

 

最初に本書では、”境界性パーソナリティ障害”はどのような場面で問題が起きる症状なのか、また具体的な精神状態に関しても述べられています。

 

境界性パーソナリティ障害は、その根本的な問題が愛情や感への強い飢餓状態に根ざしているため、もっとも親密で、もっとも相手との距離が縮まる連らいという状況において、激しく問題を露呈しやすい」

 

「自分と他社との境目が曖昧で、充分に区別できていないということである。そのため自分の視点と他社の視点を混同していまいやすい。自分が好きなものは、相手も気に入るに違いない、逆に自分が嫌いなものは、相手も嫌うはずだと思う。自分と相手が別の存在で、自分の感じ方と相手の感じ方は別々のものだと頭では理解していても、いつのまにか混同し、そのことにも本人は気づかないのである」

 

なるほど、他社に対する共感性が欠如しているという点ではサイコパスにも似通った特徴が見られますね。

 

サイコパスは共感性が欠如しているが、相手の心情を理解することができる。

 

そのため、相手にとって魅力的に見えるように振る舞うことが出来る。

 

自分に対するメリットがある場合に限り……。

 

しかし、サイコパスと決定的に違う点としましては、相手の心情を理解することが出来ないという点でしょうか。

 

あくまでも、自分の感情や気持ちありきで、”自分が感じたことなのだから、相手も同じように感じているに違いない”という決めつけを無意識のうちに行っていまうというところに、境界性パーソナリティ障害の特徴がみられるということなのではないでしょうか。

 

そして、結果として世間一般の常識が通用しないという問題が生じてくる。

 

ちなみにサイコパスについて論じている記事は次になりますので、ご興味がありましたら合わせてご覧ください。

books-news.hatenablog.com

 

ちなみに、もっと具体的な内容に踏み込んでいきますと、境界性パーソナリティ障害と一口に言ってもベースにある性格や素質により症状には違いが現れるそうです。

 

それでは、どのような違うタイプがあるのか次に挙げてみます。

 

①強迫性の強いタイプ――妥協できない優等生。

⇒完璧を求めるあまり、完璧に物事をこなせないと自分に嫌悪感や罪悪感を抱いてしまう。

 

②依存性が強いタイプ――健診と背信を併せ持つ。

⇒いつも誰かを頼らずにはいられず、その結果として人に尽くしすぎて、いつのまtにか利用されてしまうタイプ。

 

③失調型の傾向が強いタイプ――ガラス細工のように繊細である。

⇒人と接することに過度の緊張や不安を感じるため、気疲れしやすい。

 

④回避性の強いタイプ――傷つくことに敏感すぎる。

⇒失敗や恥をかくことに非常に敏感で、責任ある状況を避けようとする。

 

⑤自己愛性が強いタイプ――過剰な自身と劣等感を抱える。

⇒傲慢で自己特別視が強く、非常に不安定で自己破壊的な重なることで、強い依存性と攻撃性を併せ持つ。

 

⑥演技性が強いタイプ――性と外見に異常にこだわる

⇒内面的な空虚感や寂しさを、注目と関心を得ることで代償しようとする。特に、過度に性的に振る舞ったり、男性的に振る舞ったり、女性的に振る舞ったりする。

 

⑦反社会性が強いタイプ――危険なスリルを求める。

⇒危険に見をさらしてスリルを味わうことが、大きな快感である。

 

⑧妄想性が強いタイプ――愛する人も信じられない。

⇒人が信じられず、裏切られているとか悪意を持たれていると邪推する。DVやストーカー行為に及ぶことがある。

 

⑨未分化型パーソナリティのタイプ――低年齢のケースに多い。

⇒快・不快という瞬間的な感情に支配されやすく、非常に衝動的である。

 

発達障害がベースにあるタイプ――症状が複雑すぎる。

⇒発達面の問題によって、精神的な不安定が二次障害として生じる。

 

けっこう多くのタイプを列挙しましたが、正直なところこれらの特徴は決して”境界性パーソナリティ障害”だからこそ持っている特徴ではないように感じられます。

 

多かれ少なかれ人間にはただいま挙げたような特徴は備わっていると思います。

 

ただし、これらが一般的な水準よりも極端に偏っている場合に”境界性パーソナリティ障害”と診断されてしまうようになってしまうのでしょう。

 

しかし、これらは決して改善できないという問題でもないと私は思うのです。

 

これらの症状はあくまでも、”アイデンティティを獲得するまでの過程”にすぎないのではないでしょうか。

 

北大路魯山人も「個性」という著書で「自分で失敗を重ねてたどりつくところは、型にはまってならったと同じ場所にたどりつくものだ。そのたどりつくところのものはなにか。正しさだ」と言っています。

個性

個性

 

 

要するに、失敗を繰り返しながらたどり着いた先に本物の個性があり、それは貴方にとっての正しさだと言いたいのだと思います。

 

私個人的には、この”境界性パーソナリティ障害”という症状も、あくまでも普通よりもちょっとだけ精神的な不安定具合が大きいだけのような気がします。

 

ですから、自分で”境界性パーソナリティ障害”に見られるような症状が出たとしても、それを自ら受け止めてそれを糧にしていくことが一番大切なのではないでしょうか。

 

難しい話ですね。


それでは、本日はここまでとなります。

また、次回の記事でお会いしましょう。

境界性パーソナリティ障害 (幻冬舎新書)

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