読書貯金はじめました。

読書貯金とは私の造語です。本を要約・評価しつつ記事にして、読み返して智慧になるような記事を書いていきたいと思います。

「快楽主義の哲学/澁澤龍彦」を普通に読んでみました。

はじめまして。
KISOと申します。
本日は、澁澤龍彦の「快楽主義の哲学」という本についてご紹介いたします。

Amazonの著者紹介によると、

 

渋沢/龍彦
1928‐87年。東大仏文科卒。サドの作品をはじめ数々のフランス文学を翻訳・紹介する。またエッセイストとしても令名高く、晩年は小説に独自の世界を築いた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 
と、紹介されています。

私のイメージとしましては、渋沢龍彦と言いますと数多くの翻訳とエッセイを残しているというイメージがありまして、自身のオリジナルの小説を残しているというイメージはあまりありませんね……。


まあ、あるにはあるんですがね。

 

また、Amazonの著者紹介にありますように、渋沢龍彦は日本にマルキ・ド・サドというフランス人作家の小説に日本で広めたことで有名ですね。

 

正直、マルキ・ド・サドの小説も気にはなっているんですが、ショッキングな内容の物語が多いということで、なかなか手を出せずにいます……。


それでは話を戻しますが、この本はAmazon上ではこのような評価となっております。

2018/10/13現在 ★★★★☆(25レビュー) 。

早速、本書に対する所感を述べていきたいと思います。

この本を一言でまとめてしまうと、「自意識過剰なロマンが詰め込まれた背徳的な哲学」とでも言うべきでしょうか。

 

哲学と唄っている割には、どこか理屈を感じさせない作家らしい美学を感じる随想とでも言えば良いでしょうか。

 

そのように感じる、実に精力溢れる作品なのだと思います。

 

それは決して悪い意味だけではなく、良い意味として表裏一体に捉えられます。

 

まず、本書で一番メッセージとして伝えたい部分としては、「幸福と快楽」の違いについて述べられていることでしょう。

 

「まず第一に、幸福は主観的なものだが、快楽は客観的なものだということがあります。(中略)要するに、幸福とは、まことにとりとめのない、ふわふわした主観的なものであって、その当事者の感受性や、人生観や共用などによってどうにでも変わりうるものなのだということです。これに反して、快楽には確固とした客観的な基準があり、ぎゅっと手でつかめるような、新鮮な肌触り、重量感があります」

 

「目的とするところは、いずれの場合も同じであって、人間の本能、人間の欲望に忠実であるということです」

 

これらの箇所が、快楽主義の第一歩として理解しておかねばならない考え方なのでしょう。

 

何とも身勝手な考え方でありながらも、現代人が共感しやすい考え方を持っていると思います。

 

どうせ、欲望を抑えたところで自分に見返りがあると思えない時代であると同時に、星の数ほど報われない努力が存在するのだから、せめて欲望に忠実に生きておいたほうが、一度だけの人生である以上、マシというものなのではないでしょうか。

 

そして、快楽主義者としていきていくために心がけていくべきこと・考えていくべきこが、本書には述べられています。

 

①偏見のまるで無い人間なんて、無色透明な水のようなものでおもしろくもおかしくもない人間ではありますまいか。


②他人の目に映る自分の姿を必要以上に気にすることはありません。


③他人に命ぜられて嫌々やっている仕事とはどんなに調子が良くても、そこから一定の永続的な快楽を得られるものではない。


④生活の手段としての労働、嫌々ながらやる労働は、人間性を疎外するだけなので、私達としては、どうすれば「労働」を「遊び」に近づけられるかを考えなければならない。

 

以上の、4項目あたりが渋沢龍彦が快楽主義者として生きていくために心がけないといけない要項として挙げた部分ではないでしょうか。

 

④に関してはは面白いもので、現代で言うYouTuberであったりブロガーであったり、自分の好きなことで稼いで生きていくという人々を表していると思います。

 

もちろん、誰も彼もがそのような生き方をすべきだということを言っているわけではなく、このような生き方が渋沢龍彦の言う快楽主義ということなのでしょう。

 

当然、人間の価値観は人間の数だけあるわけですから、物事の優先順位というものだってあるでしょう。

 

楽しくない仕事であったとしても、稼ぎの良い仕事だから出来る。

 

稼ぎが悪い仕事であっても、楽しいからこそ出来る。

 

そういう反する価値観だってあることでしょう。

 

ちなみに、私個人としましては概ねこの渋沢龍彦の考え方に賛成できる方で、やっぱり仕事は人生の中で一番の優先順位になることはありませんし、自分の欲求を完全に抑えてまで働きたいとは思いません。

 

最低限、自分の欲望を発散できる程度には、仕事との折り合いはつけたいと考えていますから。

 

私は、精神的にも肉体的にも健やかでありつつ続けられることを、楽しみながら続けていくことを一番に考えるべきなのではないかと考えています。


それでは、本日はここまでとなります。

また、次回の記事でお会いしましょう。

快楽主義の哲学 (文春文庫)

快楽主義の哲学 (文春文庫)