読書貯金はじめました。

読書貯金とは私の造語です。本を要約・評価しつつ記事にして、読み返して智慧になるような記事を書いていきたいと思います。

「クラッシャー上司 平気で部下を追い詰める人たち/松崎一葉」をAmazon読み放題サービスで読んでみました。

はじめまして。
KISOと申します。
本日は、松崎一葉さんの「クラッシャー上司 平気で部下を追い詰める人たち」という本についてご紹介いたします。

Amazonの著者紹介によると、

松崎/一葉
筑波大学医学医療系産業精神医学・宇宙医学グループ教授。1960年茨城県生まれ。1989年筑波大学大学院博士課程修了。医学博士。産業精神医学・宇宙航空精神医学が専門。官公庁、上場企業から中小企業まで、数多くの組織で精神科産業医として活躍。またJAXA客員研究員として、宇宙飛行士の資質と長期閉鎖空間でのサポートについても研究している。「クラッシャー上司」の命名者の一人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 

と、紹介されています。

また彼の書いたこの本はAmazon上ではこのような評価となっております。

2018/10/9現在 ★★★★☆(27レビュー。実際は★4.5) 。

 

昨今無視できないようなテーマを取り扱っているだけに期待値は高まります。

 

とはいえ、私はクラッシャー上司という言葉は聞いたことがありません。

 

もっとも、言葉からどのような意味合いなのか推し量ることはできそうですね。

 

恐らく、部下のメンタルを壊してしまうような上司という意味合いでしょう。


それでは、早速本書に対する所感を述べていきたいと思います。

この本はいくつかのハラスメントの実例を挙げながら、昨今のハラスメント事情と、それがどうして起きるのか、引き起こす人間にはどのような心理が働いているのか、等など多角的に意見を述べていくような形になっています。

 

もちろん、ハラスメントをする側の人間は悪い人間であることに間違いはありませんが、最近よく耳にする「新型うつ」ってどんなものなのかということにも触れていきます。

 

まず、クラッシャー上司とはどのような上司を指すのか、本書の内容をかいつまんでまとめてみたいと思います。

 

①自分は善いことをしているという確信を抱いている。

②他者への共感性が著しく欠如している。

 

この2項目を見たところ、私個人としてはただの「ソシオパス」のようにも見えます。

 

ちなみに、ソシオパスとは反社会的人格障害と訳され、一般的には「良心の欠如」しているような人間であったり、「自己愛」が極端に強すぎたりするような人間を指すことが多いようです。

 

特に、自己愛があまりにも強すぎると自分以外をまっとうに理解することができませんと思いますし……。

 

もっとも、自己愛が弱すぎるのもそれはそれで問題ですが……。

 

しかし、このような特徴をもっているからこそ、自分がかつて成功した体験や、自分が辛かった経験を、部下にも味合わせて成長させようという善意を持って行うことがおおいから厄介なものです。

 

私が初めて勤めた会社でも、上司が付きっ切りで仕事を教えて、しかも営業の練習を夜中までさせられたことが記憶に強く残っています。

 

一見すると、良さそうに見える経験ですが、寝る時以外プライベートは一切無く、残業代は出ず、常に上司と一緒に居て、ミスを犯すと怒涛の勢いて叱られるのは、精神的に相当キツいものでした。

 

まあ、本人は良かれと思って行っていたのだとは思います。

 

私は、おかげで毎日吐きながら仕事をしていたものですが……。

 

いずれにしろ、部下本人が辛くて耐えられないと思っていたとしても、その上司が原因で退職に至ったとしても、それに共感することはなく、悪いと思っていることもなく「根性のない奴だったな」で終わらせてしまうのがクラッシャー上司というやつなのでしょう。

 

私としては、そのような感覚を持っている人間は幼少期から精神的な成長をしてこなかった人間なんだと思っています。

 

自己愛が肥大し続けて、精神が赤ん坊のまま体の成長を迎え、ただ知識を脳みそに詰め込んだだけのような人間に感じられます。

 

それでは、そんなクラッシャー上司が職場に居たとしたらどのように振る舞うことが大切なのか。

 

どのような考え方を持っていれば良いのか。

 

本書ではその部分にも触れています。

 

①有意味感(情緒的余裕)

②全体把握感(認知の柔軟性)

③経験的処理可能感(情緒的共感処理)

 

以上の3つに集約されます。

 

第一に、有意味感とは、辛いことや面白みを感じられないことに対しても、何かしらの意味を見いだせる感覚のことを指します。

 

たとえば、望まない仕事を与えられたとしても、「やってみたら意外と面白いかもしれない」と前向きに捉えられることです。

 

第二に、全体把握感とは、物事の時系列(プロセス)を見通せる感覚のことを指します。

 

たとえば、「今週末は出勤だけど、来週は2日有給が取れるから頑張ろう」など、プロセスに備えた段取りする力のことです。

 

第三に、経験的処理可能感とは、今までの成功体験に基づいて、「ここまではできるはず」と確信し、「ここからは未知の部分」と早期に援助希求できる感覚のことを指します。

 

たとえば、「与えられた仕事のうち50まではできるのだから、残りの30を何とか頑張ればいい」など、自分の成功体験をしっかりと確信することのできる力のことです。

 

以上が、精神的にタフでクラッシャー上司が居ても心の芯が折れずに働き続けられるような人間の精神構造らしいです。

 

そして、何よりクラッシャー上司は「そんなしょうもない人間である」と認識することが必要です。

 

仕事が出来て、頭の回転が早くて、優秀なように見えますが、結局のところ未成熟な人間なのですから。

 

一方で、他人にだけ目を向けていてはいけません。

 

もしかしたら、自分がそのクラッシャー上司になるという可能性もあります。

 

著者はそこで、深い思考の出来る人間になることを目指すように推めています。

 

世の中は理屈だけではなく、広い視野を持つことも必要だと考える余裕を持つこと。

 

読書をするなら、ロジカルなビジネス書だけではなく、人間の心の奥深い部分を描いた小説を読むこと。

 

一見すると役に立たない読書の方が、人生においては役立つのだと。

それでは、本日はここまでとなります。

また、次回の記事でお会いしましょう。

クラッシャー上司 平気で部下を追い詰める人たち (PHP新書)