読書貯金はじめました。

読書貯金とは私の造語です。本を要約・評価しつつ記事にして、読み返して智慧になるような記事を書いていきたいと思います。

「『いき』の構造/九鬼周造」を青空文庫で読んでみました。

はじめまして。
KISOと申します。
本日は、九鬼周造の「『いき』の構造」という本についてご紹介いたします。

Amazonの著者紹介によると、

 

九鬼/周造
1889~1941。日本の哲学者。東京帝国大学で哲学を学んだのち、8年間ヨーロッパ諸国へ留学。学問を続けるなか、強く日本の美と文化に惹かれ、主著『「いき」の構造』の論文に着手し、帰国後に発表。その後は京都帝国大学教授となり、西洋近代哲学を教えた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 
と、紹介されています。


また彼の書いたこの本はAmazon上ではこのような評価となっております。

2018/10/6現在 ★★★★☆(31レビュー) 。

 

色々と本を読んできている私でありますが、実は日本人の哲学書あるいは思想関係の書物ってあまり読んだことがありません。

 

学生時代にハマりにハマったものも、フランス人が描くような哲学や思想であったり、日本人の著した書物に関しては、もっぱら小説を読んでいたものでしたから、正直なところ、イメージがほとんど沸かないというのが現状です。

 

以前に三木清の「人生論ノート」に関する記事も書きましたが、彼の思想は結局のところドイツ観念論に基づいた上での彼の哲学や思想になると思いますので、純粋な日本人らしさについて述べられたものではないと思っております。

 

しかも、教えている内容も執筆している内容も完全に、西洋上がりの哲学ですからね。

 

まあ、それを言うのであれば、九鬼周造に関してもヨーロッパに留学してから日本で西洋哲学を教えていたのですから、必ずしも純日本人の哲学や思想とは言いがたいのかもしれません。

 

ですが、彼は西洋で学んできたことと比較して、しっかり日本人らしい哲学を形にしたものが本書だと思っております。


それでは、早速本書に対する所感を述べていきたいと思います。

まず、この本は簡単に言えば、「いき」とは何かということについて述べられた本なのです。

 

「いき」と言えば、一般的には呼吸のことであったり、江戸における美意識の一つとして捉えられることが多いのではないでしょうか。

 

著者によると、

 

「『いき』の構造は『媚態』と『意気地』と「諦観」との三契機を示している。そうして、第一の『媚態』はその基調を構成し、第二の『意気地』と第三の『諦観』の二つはその民族的、歴史的色彩を規定している。(中略)すなわち、『意気地』は媚態の存在感を強調し、その光沢を増し、その角度を鋭くする。媚態の二元的可能性を『意気地』によって限定することは、畢竟、自由の擁護を高唱するにほかならない。第三の徴表たる『諦観』も決して媚態と相容れないものではない。媚態はその仮想目的を達せざる点において、自己に忠実なるものである。それ故に、媚態が目的に対して『諦観』を有することは不合理でないのみにならず、かえって媚態そのものの原本的存在性を開示せしむることである」

 

「要するに、『いき』という存在様態において、『媚態』は、武士道の理想主義に基づく『意気地』と、仏教の非現実生を背景とする『諦観』とによって、存在完成にまで限定されるのである。(中略)『いき』とは、我が国の文化を特色附けている道徳的理想主義と宗教的非現実生との形相因によって、質料因たる媚態が自己の存在実現を完成したものであるということができる」

 

と、述べられています。

 

上記の二箇所が、本書で伝えたいことの核となる部分なのではないでしょうか。

 

私個人的な見解にはなりますが、ここから感じられる「いき」というものは、慎ましい振る舞い、潔い考え方、かつ品性を感じられる力強さ、これらの要素を兼ねているものなのではないかと感じられます。

 

そして、それらはあくまでも美的価値観に基づいた形態・様式でなかればならないのではないかと思われます。

 

それこそが、「いき」であるということなのではないでしょうか。

 

もちろん、これらは当時の価値観に基づいた考え方であるため、現代でどのような役に立つのかと問われれば答えることは難しいです。

 

ですが、少なくともみっともない足掻き方、醜い立ち振る舞いではないことは、今この時でも理解できる考え方だとは思います。

 

特にそれは人生の中で曖昧さを断ち切るためには必要な考え方なんだと。

 

もしかしたら、偏見も入ってきてしまうかもしれませんが、頭の中で駄目だと分かっていても続けてしまうこと、あるいは嫌々やってしまうこと、そいうったことは「いき」の考え方からは遠く離れた考え方になるのではないかと思います。

 

少し話がそれてしまいますが、人生には谷あり山ありと言えど、嫌々歩むべき道ではないと私は思っています。

 

おそらく、「いき」とはこういうことの真逆を指すではないかと思うのです。


それでは、本日はここまでとなります。

また、次回の記事でお会いしましょう。 

「いき」の構造 他二篇 (岩波文庫)

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「いき」の構造

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「いき」の構造 (講談社学術文庫)

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九鬼周造「いきの構造」   ビギナーズ 日本の思想   (角川ソフィア文庫)

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「いき」の構造 ―まんがで読破─

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