読書貯金はじめました。

読書貯金とは私の造語です。本を要約・評価しつつ記事にして、読み返して智慧になるような記事を書いていきたいと思います。

「白金神経の少女/蘭郁二郎」を青空文庫で読んでみました。

はじめまして。
KISOと申します。
本日は、蘭郁二郎の「白金神経の少女」という本についてご紹介いたします。

Amazonの著者紹介によると、

 

蘭/郁二郎
1913年、東京生まれ。作家。本名・遠藤敏夫。1931年、『探偵趣味』の掌篇探偵小説募集に「息を止める男」が佳作入選しデビュー。1935年、『探偵文学』の創刊に参加、その廃刊後は『シュピオ』誌上で活躍。1938年より、科学小説の方面でも人気を獲得する。1944年、飛行機事故で逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


と、紹介されています。

 

恐らく聞いたことのない方も多いのではないでしょうか?

 

当時の文壇としては、昭和文学において他に有名な方々が多数活躍されていたことでしょうから、埋もれてしまっていても仕方ないことです。

 

しかも世間の風潮として、モダニズム文学やプロレタリア文学の勢いが強かった時代ですから、彼の作品がなかなか受け合いが良くなかったことも頷ける話だと思うのです。

 

その時代で有名な作家としましては、川端康成井伏鱒二、徳永直……等など、名だたる作家が居るわけですね。

 

一方で、蘭郁二郎の書いてる小説って完璧にライトノベルだと思うんです。

 

あまりにも時代の風潮の合わなすぎて、あまりにも不憫で……

 

たらればの話をしてもしかたないことではありますが、きっと現代であれば売れっ子作家であったことは間違いないでしょう。

 

ちなみに、今回紹介する「白金神経の少女」も間違いなく、現代で言うライトノベルに分類されるような小説です。


また彼の書いたこの本はAmazon上では、残念なことに誰も評価はしていません。

 

面白い本ではあるのですが、知名度の低さが災いしているのかもしれません。

まあ、それは仕方ないこととして早速本書に対する所感を述べていきたいと思います。

まず、この本は主人公が、1件のBARに入るところから始まります。

 

そして、そのBARを拠点として恋愛工学というものを研究しているという老人と出会い、数々の会話のやり取りをすることで話が進められていきます。

 

また、そこではアンドロイドらしき女性とのやり取りもあります。

 

もっとも、これ以上を語ってしまうと盛大なネタバレになってしまうため多くを語ることは難しいので先の話に関しましては割愛させていただきます。

 

しかも、かなりの短編小説なので概要を話すだけでもネタバレになる可能性が大いにあるという状態です。

 

ですが、ここで止めてしまったら記事としての意味もなさなくなることも事実です。

 

ということで、印象に残っている文章を少しだけ引用することにします。

 

「だいたい人間が恋をしますとネ、ちょうど電線に電流が通ると、その周りに磁界といいうものが出るとおなじようになんかこう甘い――というか一種の雰囲気が出るもんらしいですナ」

 

「恋愛はその二人の間の距離の、しかも自乗に逆比例していることえお如実に示しているわけですよ。だから四尺はなれている時より、二尺になったら四倍、一尺になったら四尺の時に比べて、とらんに九倍となって飛躍するわけですナ」

 

「つまり考える、ということによて脳に一種の電流が処汁、これに感応して相手の脳髄に電流が誘起されるのが以心伝心という現象なんじゃ」

 

以上の文章は、すべて例の老人が語ってた言葉です。

 

恋愛と電気と数を組み合わせた独特の考え方だと思います。

 

しかし、何から何まで論理的・合理的というわかでもなく、どこか人生経験を匂わせるような、酸いも甘いも噛み締めたかのような不思議さを感じさせる言葉です。

 

実際、私の恋愛経験に照らし合わせてみてどうなのか……というのは、不毛な話なので置いておきましょう(笑)

 

ちなみにもう一つだけ言いますと、著者はとても美人が好きです。

 

それはもう現代のライトノベル作家がたじろぐくらいには好きだと思います。

 

正確には、美人を描写することが好きだと言うべきでしょう。

 

いずれ、著者の他の作品を紹介することがあれば言いますが、どの作品にも共通して美人が出てきます。

 

そのような描写があります。

 

そして、あまり気分の良い終わり方のしない作品が多いです。

 

鬱作品が多いです。

 

その中でも、この「白金神経の少女」は鬱要素がほとんど無いので、多くの方にストレスフリーで読むことが出来る作品だと思います。

 

小難しい本が苦手で、でも面白い本が読みたくて、お金もかけずに小説を読んでみたいという方にこそオススメの小説ですので、是非とも一度は読んでもらいたい作品です。


それでは、本日はここまでとなります。

また、次回の記事でお会いしましょう。

白金神経の少女

白金神経の少女