「うつからの脱出/下園壮太」をAmazonの読み放題サービスで読んでみました。
はじめまして。
KISOと申します。
本日は、下園壮太さんの「うつからの脱出」という本についてご紹介いたします。
鬱と言いますと、現代社会において別に珍しくもない病なのではないでしょうか。
以前までは、根性が無いだとか、甘えだとか、そのような言葉の暴力で無視されてしまうような病だったのだと思います。
もっとも、キツイ社会の生存競争を生き抜いてきた方々にとっては、まだまだ鬱に対しては厳しいものだと思われます。
そんな鬱に対して述べている著書のプロフィールはと言いますと、
1959年福島県加世田市生まれ。1982年防衛大学校卒業後、陸上自衛隊入隊。1989年国内留学制度により筑波大学で心理学を研修。1999年陸自初の「心理幹部」として年間100時間以上のカウンセリング。2001年防衛庁のメンタルヘルス検討会の委員として提言作成にかかわる。2002年本邦初の組織的ポストベンションチームの一員として活動開始。現在、陸上自衛隊衛生学校で衛生科隊員(医師・看護師等)にメンタルヘルス、自殺防止、カウンセリングなどを教育中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
と、Amazonでは紹介されております。
ちなみに、2018年9月18日の評価としましては、★★★★☆(77)という状態となっています。
それでは、早速本書の内容について触れていきたいと思います。
まず、本書では鬱の定義について述べ、それから 認知療法、鬱の状態について、そして
カウンセラーに関する内容に触れています。
著者によると、「鬱状態」とは、人が披露しきった状態のことを示します。そして、付け加えると、披露しきった体をまもるため、生命の緊急対処プログラムである「感情のプログラム」が一斉発動した状態でもある。と、述べています。
私個人の見解にはなりますが、後半の部分に関してはとても共感できます。
かくいう私も、鬱のような状態に陥ったことがあり、その際はわけもわからず涙が流れてきて感情の制御ができなくなってしまったことがあります。
確かに、鬱状態とは疲れ切って、自分の精神的なバランスが崩れて真っ当に機能しなくなることなのかもしれません。
また、著者はこうも言っています。
「鬱状態になると別人になる。別人になるということは、本来のその人の感じ方・考え方ではなくなるということである。本来のその人であれば余裕で受け流すことでも、おろおろしてみたり、こだわってみたりする。本来のその人であればすぐに忘れてしまうようなことでも、どうしても気になる」
そして、別人化して現れるもっとも深刻な状態が「死にたくなる」気持ちの出現であるとのことです。
それは、自分の安全に注意が払えなくなったり、もっと積極的に自傷行為に耽ったりするようになり、すぐに他人の力を借りながら、長期の休養を取らねばならない時期になる状態を指します。
確かに、そうなんだと思います。
少々古いデータになりますが、
このようなデータが警視庁から出されています。
今よりも10年近くも前ですが、自殺の原因の4割以上が鬱病という現状らしいです。
私個人の考えにはなりますが、統計結果というものはあくまでも氷山の一角であり、割合の大きいものであればあるほど、より大きな割合を占めているのではないかと思います。
認知出来ているだけで4割なのですから、実際は5割あってもおかしくはありません。
昔から鬱というものはあったのでしょうけども、メディア媒体の発達した現代では、より大きく取り上げられることの多い鬱病は、現代社会における一種の闇のようにも感じられます。
ですが、この事実を遠くから眺めているだけでは意味がありません。
やはり、この事実を受け止めた上でどのように取り組むのか考えて実行に移していくことが必要になってくるでしょう。
それこそ、物事の考え方によって鬱を軽減したり、体を動かして鬱っぽい気持ちを吹き飛ばしてみたり、やり方は個々人によって違うとは思いますし、結果もそれぞれなのではないかと思います。
そして、こうして鬱に対して向き合っていく中で必要な考え方として、私が本書の中で特に記憶に残った文章があります。
「あなたが、自分の性格を変えたい、変えなければならないと幻想をいだきつづける限り、自分に対する自信は生まれない。ただ単に自分を攻撃しているだけだ」
「ある程度、強引でも、行動してしまうことが必要だ。行動すると結果が出る。仮に失敗すれば公開はのこるが、それは次への学習のチャンスでもあり、何より持続的な不安を終わらせることができる。今の苦しい持続的な不安状態を、あなたは行動によって終わらせた。そのこと自体が自信回復につながる」
とても、含蓄のある言葉です。
ちなみに、私が鬱状態から抜け出したいと思ったら、まずは完了できる楽しみを見つけます。
読書でも、スポーツでも、このようにブログを書くことだって良いと思います。
とにかく、続けられて、完了できて達成感を感じられることが、鬱から抜け出すために必要不可欠なのではないかと個人的には思います。
それでは、本日はここまでとなります。
また、次回の記事でお会いしましょう。